DISCO

 

Dandyism

1998 ¥3,000(税込)/POCJ-1412

渡辺香津美 Kazumi Watanabe(g)
小曽根真 Makoto Ozone(p)
 

収録曲

01

SPAIN(Chick Corea)

言わずとしれたチック・コリア作の名曲が、オゾネの斬新アレンジにより21世紀 対応バージョンに生まれ変わった。チックもビックリのスペイン・スペースファンタジー篇。

02

Babi's Bossa(Kazumi Watanabe)

活気に溢れた60年代の渋谷の街。そこのデパートや映画館を遊び場として育った 子供は、ディズニーが大のお気に入り。特に《バンビ》が好きだったがうまく発音できず、バビバビと言っているうちに、それがニックネームになった。

03

Azimuth(Kazumi Watanabe)

アジマスとは天文学用語で《方位・方角》の意味。哀愁を含んだオスティナートで 始まるこの曲は、メロディーラインに導かれるまま新たなアジマスを求めて展開していく。ラテンとファンキーが軌道上で交差する地点、これをアジマスポイントと呼ぶ。

04

いつか王子様が(Frank E.Churchill/Larry Morey)

多くのミュージシャンがマイルス・ディビスに捧げてこの曲を演奏したという。帝 王はついに秘密を明かさぬうちに永遠の存在となったが、天の一角で「Be Quiet!」と片目をつぶっている。

05

プレイ(Ozone Makoto)

夜間飛行の窓から見る雲海は、まるで船にでも乗っているような気にさせる。夜明 けの近づくにつれ、パープルともブルーともつかぬ仄(ほの)かなグラデーションの波間から聴こえてくる、祈りにもにた旋律。

06

パッショネイト・スノウ(Ozone Makoto)

舞い散る雪。そこに突如として差込む一条の光。その一瞬動きを止めた雪の精たち は、ふたたび今度は前より激しく踊りはじめる。まるで自らの熱で溶けてしまってもかまわないという風に…

07

アニーより・トゥモロウ~メイビー(Charles Strouse/Martin Charnin)

明るくポジティブな孤児のアニーが幸せを掴む、アメリカンドリームのドラマ「ミュージカル・アニー」。tomorrowは、明日を信じる生き方を歌い上げた感動のメッセージ。Maybeは、孤児たちが孤児院の粗末なベッ ドの上で祈りを込めて、きっといつか素敵な両親が迎えにきてくれる、maybe‥‥‥‥と唄いながらウトウトと眠ってしまう子守歌。

08

ダンディズム(Kazumi Watanabe)

なんだかんだ言っても最後はブルース。少年のまま年とったっていいじゃないか。 いつまでも切れ味抜群でいたいさ。それがオトコゴコロ。それがなきゃオトメゴコロに応えられない。遊びが仕事、深くて軽やか。仕事を遊んで小気味よく。いよっ伊達男!

発売日:1998.6.1
番号:POCJ-1412
価格:¥3,000(税込)
録音:1998.2/17-19 Avatar Studio(N.Y.)
エンジニア:ジム・アンダーソン
 
【インナー小説】
西暦2000年もほど近いある日、とある砂漠にひとりの男が降り立った。
およそほとんどのものがスピードを競い、経済性を求め、本来気ままであるはずの《旅》 ですら帰りの時間が優先されるこの星において、残された男のロマンとは何か。
 
聞けばかっては西洋に騎士道、東洋に武士道があったという。 鋼の鎧をスーツに着替え、戦場で手柄をとる必要がなくなった。 そして僕たちは自分の未来を我がままに する自由を得た。
 
もっと遡るとしよう。ある人曰く「鍵の出来た瞬間から泥棒というものが現れ、畑を耕すように
なって、それを守る為に戦(いくさ)が必要になった」。
獲物を求めて野山を駆けまわっていた頃は、人々はもっと平和だった。
いったい探しているものは何処にあるのだろうか。

一杯のコーヒーにこだわるある男。豆はブルマン、水は柿田の源水、きっかり53粒をミルで挽いてネルドリップする 。
着るものには人一倍気を使う。それも靴下と下着にだ。見えない処にこそお洒落 をしていないとイザという時困る。ネクタイはさり気なくモンキー柄の舶来ブランド。
遊びが仕事、仕事を遊びにしてこそ《粋》といえる。携帯電話は発信専用。ガールフレンドにすら番号は秘密だ。
酒は純米酒専門だが、時には好きなブルゴーニュを友人の焼いた備前焼きで味わう。ゴルフも車もカメラも、古い道具に手を入れ てとことん使うのが流儀。
 
音楽は想像と安らぎの至福の時。こないだ見つけたカズミとオゾネの《ダンディズム》とやら、バッハを聴いた後にでもターンテーブルに 載せてみるとするか・・・